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トラブル防止最終更新:2026年6月

不動産売却の契約トラブルを防ぐには?告知義務と契約不適合責任の基本

「家を売ったあとに、買主から『聞いていた話と違う』とクレームが来ないか心配」「雨漏りやシロアリのこと、どこまで伝えればいいのか分からない」「昔このあたりで何かあった気がするけど、言う必要があるのか」

——不動産の売却で、売った後にいちばん起きやすいのが「言った・言わない」のトラブルです。そして、その多くは事前に正しく伝えておけば防げたものです。この記事では、売主が知っておきたい「告知義務」と「契約不適合責任」という2つの基本を、やさしく整理します(2026年6月時点の一般的な解説です)。

「告知義務」とは——知っていることは、隠さず伝える

売主には、その物件の不具合や問題点で、自分が知っていることを買主に伝える義務があります。これを告知義務といいます。具体的には、こうしたことが対象になり得ます。

  • 建物の不具合:雨漏り、シロアリ被害、給排水管の故障、傾きなど
  • 土地の問題:地中の埋設物、土壌汚染、地盤の弱さなど
  • 環境的なこと:近隣の騒音・におい、嫌悪施設など
  • 心理的なこと:その物件で起きた出来事など、買主が知ったら契約をためらうような事情

判断に迷いやすいのが「これは言う必要があるのか?」というラインです。基本的な考え方はシンプルで、「自分が買う側だったら、知っておきたいか」。迷ったら伝える、が安全側です。隠して売ると、後で大きなトラブルと賠償リスクにつながりかねません。

何をどこまで告知すべきかは、事案ごとに専門的な判断を要します。実際の売却では、宅地建物取引士が物件ごとに整理し、必要に応じて弁護士の見解も確認します。一般論として「迷ったら伝える」が原則です。

「契約不適合責任」とは——契約の内容と違ったときの責任

2020年の民法改正で、それまでの「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」に代わって導入されたのが契約不適合責任です。名前は難しいですが、考え方はこうです。

引き渡した物件が、契約で約束した内容(種類・品質・数量)に適合していなかった場合、売主はその責任を負う。

たとえば「雨漏りはない」という前提で契約したのに、引き渡し後に雨漏りが見つかった——この場合、買主は売主に対して、修補(直すこと)・代金の減額・損害賠償・場合によっては契約の解除を求めることができます。

ここで大切なのは、「契約書にどう書いたか」が責任の範囲を決めるという点です。だからこそ、知っている不具合を契約前にきちんと伝え、契約書に正確に反映させておくことが、何よりのトラブル予防になります。伝えてあれば「それを承知で買った」ことになり、後から責任を問われにくくなるのです。

中古住宅の売却で特に大切な「現状の正直な開示」

新築でない限り、家には経年による傷みや不具合がつきものです。買主もそれは理解しています。問題は不具合の有無そのものより、それが正直に開示されているかです。

トラブル予防のために、実務では次のような手段が使われます。

  • 付帯設備表・告知書:設備の状態や、知っている不具合を書面で買主に開示する
  • ホームインスペクション(建物状況調査):専門家が建物の状態を調べ、客観的な情報を共有する
  • 契約不適合責任の範囲の取り決め:個人間売買では、責任を負う期間や範囲を契約で定めることがある

これらはいずれも「売主が不利になる」ためのものではなく、お互いが安心して取引するための仕組みです。正直に開示しておくことが、結果的に売主自身を守ります。

付帯設備表・告知書の書き方、契約不適合責任の期間設定などは、物件と取引形態によって最適な形が異なります。実際の売却では宅地建物取引士が個別に設計します。

「AIで下調べ、人で締める」——当方のトラブル予防の考え方

契約トラブルの多くは、情報の見落としや確認漏れから起きます。当方では、過去の取引やよくあるトラブルのパターンをふまえ、物件ごとに「確認すべきこと」を抜け漏れなく洗い出すことを大切にしています。そのうえで、何をどう伝え、契約書にどう落とし込むかという最終判断は、宅地建物取引士である私が責任を持って行います。

調べることは徹底的に、しかし判断と責任は人が持つ——これが、安心して任せていただくための私のやり方です。

まとめ:正直な開示が、いちばんの予防策

  • 売主には、知っている不具合や問題を伝える「告知義務」がある
  • 迷ったら伝える。「自分が買う側なら知りたいか」で考える
  • 契約内容と違えば「契約不適合責任」を問われ得る。契約書の正確さが鍵
  • 付帯設備表・告知書・建物状況調査などが予防に役立つ
  • 正直な開示は、結果的に売主自身を守る

「こんなこと、言わなくてもいいかな」と迷ったことこそ、伝えておくべきサインです。何を・どう伝えるかの整理は、専門家の仕事です。トラブルを未然に防ぐ売り方を、一緒に組み立てていきましょう。

※本コラムは一般的な情報提供を目的としたものです。税金・登記・法律の取り扱いは個別の事情により異なり、適用の可否はケースごとに判断が必要です。正確なところは税理士・司法書士などの専門家にご確認ください。

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