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相続最終更新:2026年6月

相続した家の名義変更(相続登記)、放置すると過料も。2024年義務化を解説

「親の家、名義はそのままだけど大丈夫だろうか」「相続登記が義務になったと聞いたけど、何をすればいいのか分からない」「手続きが面倒で、つい後回しにしている」

——相続した不動産の名義変更(相続登記)は、これまで「いつかやればいい」とされがちでした。ですが、2024年4月から状況が大きく変わりました。相続登記は法律上の義務になり、放置にはペナルティがつくようになったのです。

とはいえ、必要以上に怖がる話ではありません。やるべきことと期限を知り、早めに動けば、それで済みます。この記事では、相続登記の義務化で何が変わったか・いつまでに何をするか・放置するとどうなるかを整理します(2026年6月時点の情報です)。

2024年4月から、相続登記は「義務」になりました

これまで相続登記は任意で、いつまでにやらなければならないという決まりはありませんでした。ところが2024年4月1日から、次のように変わりました。

  • 不動産を相続で取得したことを知った日から、原則3年以内に登記を申請する義務
  • 遺産分割が成立した場合は、その成立日から3年以内に登記
  • 正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の対象になり得る

ポイントは、2024年4月より前に相続した分も対象だということ。「何年も前に親が亡くなって、名義をそのままにしている実家」も含まれます。その場合は、2024年4月1日と「相続を知った日から3年」のいずれか遅い日までに登記する、という経過措置がとられています。

過料の判断や経過措置の細かい適用は個別事情によります。ご自身のケースの期限は、司法書士または法務局にご確認いただくのが確実です。

放置すると、なぜ困るのか

過料以上に実害が大きいのが、名義の複雑化です。相続登記をしないまま時間が経つと、こんなことが起きます。

  • 名義が亡くなった親のままだと、その不動産は売ることも、担保に入れることもできない
  • 相続人の誰かがさらに亡くなると、その人の相続人へと権利が次々に広がり、関係者がねずみ算式に増える
  • 会ったこともない遠い親戚まで含めて全員の同意と署名・押印を集めなければ、何も動かせなくなる

実際、栃木でも「祖父名義のままの土地で、相続人が十数人に膨れ上がり、収拾がつかない」というご相談は珍しくありません。こうなると、解決に何年も・専門家費用も何十万円もかかることがあります。相続登記は、早ければ早いほど簡単で安く済む手続きなのです。

「すぐに分割が決まらない」ときの救済:相続人申告登記

「3年以内と言われても、遺産分割の話し合いがまとまらない」——そんな場合のために、2024年から相続人申告登記という新しい制度ができました。

これは「自分が相続人の一人です」と法務局に申し出ることで、とりあえず登記義務を果たしたことにできる簡易な手続きです。正式な名義変更ではありませんが、過料を回避でき、必要書類も通常の相続登記より少なくて済みます。話し合いが長引きそうなときの「つなぎ」として使えます。

相続人申告登記は義務を一旦満たすためのもので、最終的には正式な相続登記が必要です。利用の可否・手順は司法書士にご相談ください。

相続登記の進め方(おおまかな流れ)

実際の手続きは、おおむね次のように進みます。

  1. 相続人を確定する:亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集め、誰が相続人かを確定します。
  2. 遺産分割協議:相続人全員で、誰がその不動産を取得するかを話し合い、遺産分割協議書にまとめます(遺言がある場合はそれに従います)。
  3. 必要書類を集める:戸籍一式、住民票、固定資産評価証明書、印鑑証明書など。
  4. 法務局へ申請:登記申請書を作成し、管轄の法務局へ提出。登録免許税(固定資産評価額の0.4%)がかかります。

ご自身で進めることもできますが、戸籍集めや書類作成は手間がかかるため、司法書士に依頼するのが一般的です。その場合の報酬の目安は、内容によりますがおおむね数万円〜です。

売却を考えているなら、登記はその「入口」

もし相続した家を「売る」方向で考えているなら、相続登記は避けて通れません。名義が相続人に変わっていないと、売買契約も決済もできないからです。逆に言えば、登記を整えておけば、売却の準備はぐっとスムーズになります。

「登記をどうするか」と「売る・貸す・住むのどれにするか」は、本来セットで考えると無駄がありません。相続した不動産全体の選択肢は、こちらで整理しています。

相続した不動産、「売る・貸す・住む」どれが正解?選択肢と判断基準を整理
空き家を放置するとどうなる?相続登記義務化と「4つの選択肢」

まとめ:登記は「早い・安い・簡単」のうちに

  • 2024年4月から相続登記は義務。相続を知った日から原則3年以内
  • 2024年4月より前に相続した分も対象。怠ると10万円以下の過料も
  • 放置の最大のリスクは名義の複雑化。相続人が増えると解決が困難に
  • 話し合いが長引くときは「相続人申告登記」でひとまず義務を満たせる
  • 売却を考えるなら、登記はその入口。整えておくと準備がスムーズ

「うちの名義、今どうなっているんだろう」——そこが気になったら、それが動き出すサインです。登記の状況確認から、その先の売却の見立てまで、まずは情報からお渡しします。慌てて何かを決める必要はありません。

※本コラムは一般的な情報提供を目的としたものです。税金・登記・法律の取り扱いは個別の事情により異なり、適用の可否はケースごとに判断が必要です。正確なところは税理士・司法書士などの専門家にご確認ください。

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